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You need chaos in your soul to give birth to a dancing star.
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# BIG BLACK / THE RICH MAN'S EIGHT TRACK TAPE
 
 【★★★★】

・・・『A~Z』・・・。

別に暗号ではありません。
今は全くもって必要以上に大自然溢れる田舎に隠遁している私ですが、実は学生時代には花の都『大東京』に生息していたという時期があったんです・・・。
そんな田舎から出てきた私にとって『ユニオン』や『タワレコ』や『HMV』はあまりに眩しく、ひたすらに毎日のように通っては慣れない手つきで『A~Z』を一枚一枚チェックしていたものです。
(・・・初めの頃は小心者ゆえ西新宿や高円寺に行く勇気がありませんでした・・・)

そんな一枚一枚に一喜一憂しながらも「凄いの見つけた!」と大興奮しながら一向に伝える相手がいないというあまりに孤独で不毛な学生生活・・・。
独り音楽に取り付かれた私は大学にも行かず悶々と貴重な4年間を音楽的(?)生活だけに謳歌してしまいました・・・。
(・・・というか単に行くのが面倒くさかったので部屋でゴロゴロしてただけ・・・)

たまに大学のゼミに顔を出してみれば担当教授に烈火のようにシバかれるという始末にあげくは最後の卒業旅行の幹事に完全な悪意のもと全員一致にて私が大抜擢(・・・)。
「・・・何で私が・・・」と思いつつも多少は最後に楽しくやれればいいなぁ・・・なんて思いつつ蓋を開けてみれば・・・何と全員揃って『夜9時就寝』!?
別に男女でキャッキャッやりたいわけでもないですが・・・さすがに「あんたたち小学生!?」と突っ込みたくもなります・・・。
・・・独り部屋を離れホテルの真っ暗なロビーでお酒の呑めない私が缶ビールをあおりながら(相当のことです)ヘッドフォンを被り、開放感とは真逆のベクトルの快感の陰鬱に身を任せていたのがSHELLAC・・・。

そんな個人的にあまりに哀しい思い出を秘めたSHELLACの中核であるSteve Albiniの原点のバンド、BIG BLACKの『THE RICH MAN'S EIGHT TRACK TAPE』についてちょっと書いてみようかなぁと思います。


うーん、SHELLACは聴いていてもBIG BLACKは通っていないという人は割と多いのかな?・・・。
それは・・・あまりに勿体無いことだと思います。
物凄く・・・極個人的私観で・・・反論もあることだろうとは思いますが・・・はっきり言って最近のSHELLACよりBIG BLACK(及びRAPEMAN)の方が上ではないか・・・と思っています。
(・・・うーん・・・SHELLAC論に関しては難しいので・・・私が追いついていないのかなぁ・・・)

・・・まぁそれはともかくとして・・・。

BIG BLACKは1982年(27年前!)Albiniがドラムマシーン(Roland"TR-606")をメンバー(笑)としてスタートしました。
ちなみにドラムマシーンを使うことについてはAlbiniが短期間ですが関わっていたバンドにインスパイアされた模様。
また、既にAlbiniは70年代に(違う)バンドに参加していた頃から自らレコーディングに携わり、彼にとってはバンド活動だけでなくレコーディングも重要なファクターであったようで、やはりこの頃からプレイヤーとしてだけでなくプロデューサーとしてのAlbiniの核は形成されていくのです。

同年、BIG BLACKとしての1stEP"Lungs"をドロップ。
そして翌年、驚くべきことにNAKED RAYGUNからSantiago Durangoを2ndギターに、Jeff Pezzatiはベース(!)という豪華メンバーにて2ndEP"Bulldozer"を創り上げます。
(・・・ちなみに幾つかの曲では「URGE OVERKILL」(!!!)のメンバーがドラムにて参加。この頃から既にURGEとAlbiniの関係はあった・・・ってURGE知らないよね・・・)
最強布陣と言いたかったところなのですが、やはりというかJeff Pezzati(・・・NAKED RAYGUNのヴォーカルですからねぇ・・・)が脱退。
そして次なるメンバーとしてDave Rileyを迎えてようやく不動のメンバーが完成。
音としても、よりBIG BLACKとしての純度の高いものに昇華していきます。
BIG BLACKはドロップする音源のほとんどがEPだったのですが、1986年6枚目の音源にして遂に歴史的名盤の1stalbum"Atomizer"が姿を現します。
・・・が、いいことばかりはやはり続かない・・・。
・・・翌1987年、Santiago Durango脱退・・・。
後任をMelvin Belliにチェンジし、手を休めることなくこれまた歴史的名盤2ndalbum"Songs About Fucking"リリース。
が、残念なことにこれがオリジナルとして最後の音源となり1987年BIG BLACKは人気絶頂の中その5年間の軌跡に幕を下ろすのです。
Albiniは後のインタビューの中で BIG BLACKというバンドには悔いは無いと語っています。
人間関係も良好であったし、音源・ツアーにしても全て満足のいくものであったと。


さて、そうすると本作「THE RICH MAN'S EIGHT TRACK TAPE」はオリジナルアルバムなのか?という疑問が出てしまいます。
(・・・完全に後追いの私はこういうアルバムがあると勘違いしていました・・・)
本作は名盤1stalbum"Atomizer"に2枚のEP"Heartbeat","Headache"をカップリングした一応編集盤のようなものです。
えーとですね、私は1つの『作品』としての音源が好きなので、ボーナストラックで無駄に曲を多くしてアルバムの流れを壊してしまったり、とりあえずある曲全て詰め込んでお買い得感も出してみた的なとてつもなく曲数の多いdiscography(・・・まぁ、ありがたい部分もあるのですけど・・・)とかは正直あまり好きになれません。

・・・が、本作に限ってはちょっと違います。
確かに1つの音源としては少し長く感じる部分はあるのだけれど、BIG BLACKの変化の軌跡を垣間見ることが出来ますし、何よりやはりあまりにも"Atomizer"が素晴らしいのでそれだけで価値を感じてしまうのです。
(・・・同じことはSHOTMAKERのdiscographyにも言えるかなぁ・・・あれもとてつもなく長いけど・・・)

・・・EP"Heartbeat"・・・。
まぁ・・・正直言ってBIG BLACKの未完成形というか荒削りな部分が出ている感じがします。
BIG BLACKが持つ大きな魅力の1つに(・・・ここを上手く説明できるか自信がない・・・)彼ら特有の『メロディック』感、があると思います。
『メロディック』というと誤解されそうですが、それはあくまで私のことなので(苦笑)いわゆる外に向かった開放感溢れるエヴァーグリ−ンなものでは決してありません(・・・)。
むしろ自らの中に知らず知らずのうちに存在してしまっている内面的な攻撃性を感じさせるようなもので、時に陰鬱に、時に冷たく突き放す『メロディック』。
(・・・こういうの何て言えばいいのかなぁ・・・)
内面的攻撃性と突き放すようなギリギリの感覚はAlbiniのバンド特有のものですが、それを『メロディック』に昇華しているのはBIG BLACKが最も顕著。
その魅力ある感覚が若干甘いかなぁ・・・という気がします。
ただ、表題曲のM10."Heartbeat"はシンプルながら上記で挙げたような『メロディック』の魅力はかなり感じます。
(・・・内面的攻撃性が裏返って皮肉な明るさが出てしまったような感じ?・・・)

・・・そして、EP"Headache"・・・。
この辺りから遂にBIG BLACKが本性を現しますね。
AlbiniとSantiagoの金属的ギターが確立し、フックのあるリフ・メロディック感も完成形に近い。
今ひとつ存在感のなかったRoland"TR-606"もチープな音ゆえのフックにリズムアイデアがシンクロして『第4のメンバー』としての個性を確実に主張しています。
かなりにひっかっかってくる音達ですね。
予兆。

・・・名盤"Atomizer"・・・。
初めから「名盤」と書くのもどうかと思いますが(・・・さっきから書いてますが・・・)BIG BLACKのエッセンスが奇跡的に凝縮された音達です。
(・・・何故かオリジナルLPより1曲削られています・・・)
先ずはあらためてAlbiniのヴォーカルにヤられますね。
その声はかなりにエフェクティヴになっています。
随所に変態的な叫びが入りつつも何というか基本はまともにかっこいい。(失礼)
どこか冷めた叫びでありながらも時には非常に扇情的。
David Yow(The Jesus Lizard)とはまた対角に位置するヴォーカルです。
そしてギターのやたらにフックのあるリフでありながらSHELLACとは対角にあるようなメロディックさ加減。
この独特のリフ感覚、実はAlbiniが楽器をベースから始めたというところに起因しているのかもしれません。
私がBIG BLACKで最も魅力を感じてしまうのはやはり2本のギターの織りなすギターワークと音ですね。
通称でこう呼ばれる、Albiniの"Rocket-Guitar"とSantiagoの"Train-Guitar"。
(・・・どうしてロケットとトレインなのかさっぱりわかりませんが・・・)
腰にくくったストラップのギターから放たれる超金属的ノイズギターも凄まじいのですが、とにかくその放つ音の多彩さには驚かされます。
正直、「・・・これ、本当にギターの音!?・・・」というようなシンセサイズされたギターの洪水。
ギターの音フェチの私にとってこの超金属的ギターとエフェクティヴなシンセサイザー(?)ギターの絡みはもう生理的にストライクです、お腹一杯。
AlbiniがBIG BLACK解散後、金属的ギター1本に絞っていったのは私的にはちょっともったいないなぁ・・・なんて感じてしまうくらいです。
Roland"TR-606"君(笑)も見逃せません。
ドラムマシーンを人に似せる、という発想を逆手にとりドラムマシーンにしか出来ない通常あり得ないドラムを創り上げてしまうという・・・。
まぁとりあえずM1."Jordan Minnesota"のドラムでも聴いてみて下さい。
ちなみに・・・近代的インダストリアルとかと比較して聴く・・・みたいな野暮な真似はしないで下さい。
はなっから感覚的なものが違うと思いますので。

一応手もとには一曲一曲細かく書いた渾身のメモ(笑)があるのですが・・・一曲ずつハイライトを書いていく・・・なんて野暮な真似は致しません。(笑)
(・・・何のためにメモしたんだろう・・・)
とりあえずはM1.~M7.辺りまでの流れでヤられて下さい。
M1.M2.M4.は必聴のこと。

「何でもう1つくらいないの?」との声にはやっぱり"Atomizer"単体の方がよかったということです。

ちなみに本作だと実際には"Atomizer"~"Heartbeat"~"Headache"の順に並んでおりますので。



・・・しかし"Jordan Minnesota"の歌詞って・・・。
・・・英語とはいえ・・・ちゃんと歌詞の内容を知っておくべきですね・・・本当に・・・。
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